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小西甚一著『日本文学史』1 [ドナルド・キーン]

小西甚一著『日本文学史』1

小西甚一先生のことは、非常に優れた日本文学研究者として父は尊敬していましたし、小西先生も父のことを後輩として高く評価してくださっていました。

二人の人間としての関係も特筆すべきだと思います。

父自身は、自伝などでもしばしば触れていますし、三島由紀夫さんとの三人の興味深い鼎談もあります。


小西先生には私自身は残念ながら一度もお目にかかっていませんが、ご遺族とは父亡き後も近しくさせていただいています。

小西先生については、父から多くを聞いていますが、ここではほんの少しだけしかご紹介できません。

Wikiにはドナルド・キーンとは終生の友人だった、とありますが間違いありません。

父が小西先生にどうしてもお目にかかりたいと思ったきっかけは、昭和28年12月に出た小西先生のアテネ新書の『日本文學史』でした。

この本は、その後の父に多大な影響を及ぼした書物であり、小西先生は父にとって仰ぎ見る大学者だったのではと思います。

京都大学大学院に留学した年の12月に初めて上京した際、京都駅の書店で見つけ、車中で読んだのが『日本文學史』だったというわけです。

小西先生に初めてお目にかかったのは、たぶんその翌年だと想像しています。

場所は、小西先生の奥様のご実家だったと、ご遺族からお聞きしました。

奥様のお父さまも高名な日本文学者、能勢朝次先生でした。

この本は、講談社学術文庫で『日本文学史』として文庫化されていて父が解説「文学の中心へ導く書」を書いています。父の解説はいつも見事です。

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コメント 8

和田純子

キーン先生の終生の友人小西甚一先生のこと知ることができて、嬉しく思いました。
三島由紀夫さんとの関係もあったのですね。
by 和田純子 (2021-06-01 08:34) 

小林英子

小西氏の名前だけは存じていましたが,私が学生の時,加藤周一氏の『日本文学史序説』が出版された時期で,加藤周一氏の本がとにかく話題でした。私も本を持っています。小西氏は観世流まで習われた方のようですね。小西氏とキーン先生と加藤周一氏を読み比べたら興味深いでしょうが,学術書はなかなか読むのに時間がかかります。幅広い視点で書かれた日本文学史は貴重ですね。
by 小林英子 (2021-06-01 17:58) 

越後 角太夫

学術書は読んだことがないので、想像以上に無茶苦茶大変で私のような人間には所詮無理でしょう。とはいえ、一応今は父が愛読した、穎原退蔵の『芭蕉俳句新講』(上・下)にチャレンジしてますが、なんとか命あるうちに読み終えたいです!
by 越後 角太夫 (2021-06-02 10:22) 

和田純子

小林様は小学生のころから学術書に興味を持たれていたのですね。
本を読むことが良いのは知っていますが、私は最近になり本の良さを知った高齢者ですので、読みやすい本は読んでいますが、なかなか買った本を読むのに大変ですね(笑)私は
死ぬ前までには「源氏物語」を読み終えたいと思います。
by 和田純子 (2021-06-02 15:32) 

小林英子

和田様 小学生でなく大学生です。小学生の頃は『りぼん』や『マーガレット』など漫画もよく読みました。それでも暇だったので,本も読みました。
by 小林英子 (2021-06-02 21:46) 

和田純子

小林様、失礼しました。私の読み違いでした。
高齢になり、間違いが多くなり、困りますね。
でも、いつもキーン先生のように博学でコメントを読ませていただき、知らないことが多い私です。
これからもよろしくお願いします。
by 和田純子 (2021-06-03 07:57) 

K.K

アメリカ西海岸なら需要あるかも
by K.K (2021-06-05 11:30) 

キーンさん追っかけ横浜の獣医KK

トルコのオルハンパムクの「雪」「私の名は紅」「白い城」などを読んで大変感動していましたら、彼もキーンさんの英訳を通じて多くの日本文学を学んだという文章を先日知って私は喜びました。彼は谷崎潤一郎がとても気に入ったと。キーンさんの翻訳作業がトルコ初のノーベル文学賞受賞に影響したのではと信じています。
by キーンさん追っかけ横浜の獣医KK (2021-06-16 09:56) 

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