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『日本人の戦争ー作家の日記をよむ』(文春学藝ライブラリー 2月10日発行) [ドナルド・キーン]

『日本人の戦争ー作家の日記をよむ』(文春学藝ライブラリー 2月10日発行)

かつて文藝春秋の文芸誌『文学界』で一挙掲載され、2009年に単行本になり、その後文庫本になった『日本人の戦争』が今回文春学藝ライブラリーの一冊として生まれ変わりました。

父がこの原稿を執筆していた時、私はまだ父の傍にはいませんでしたが、父からいろいろ聞いていたので記憶しています。特に出版社から依頼されたわけでもなく、自ら止むに止まれず、本当に心から書きたくて書いた原稿で父の気持ちのこもった見事な一冊と言えると思います。それだけ読み応えのある本で、私は三回読みましたが、また読んでみたいと思っています。最後に平野啓一郎さんとの対談もあります。

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和田純子

今、読売新聞の「時代の証言者」が岡野弘彦さんの連載になっております。
伊勢の皇學館の神主を継がなければならなったのですが、陸軍に入り陸軍特別操縦見習士官に志願すると言ったら、どうしても行くなら勘当すると、父親が言われたようです。
この時代を生き抜かれた人たちの辛い戦争の出来事をお聞きして、生死は紙一重だった事を切に感じている私です。

by 和田純子 (2020-02-13 15:09) 

小林英子

戦争は、政治や外交の失敗で起こるとも言えるのではないでしょうか。戦争に突き進んでしまう要因は何か,日常的にどう政治に向きあったらいいのかも考えて生活していくことが重要だと思います。小さな法律改正が実は戦争に向かっていくことも懸念する認識も。「はだしのゲン」が松江市の教育委員会で閲覧できない措置をとったことなど,おかしい現状も,こうした情勢の現れではないでしょうか?
https://toyokeizai.net/articles/-/17839

歴史を学び,一般市民が賢くならないと悲劇の可能性はなくならないと思います。
by 小林英子 (2020-02-14 13:33) 

小林英子

元新潟県知事で医師,弁護士資格を持つ米山隆一氏はtwitterで次のように述べています。
『安倍政権の有り様と新型コロナウイルスへの対応を見ると「何で日本が戦争に突っ込んで、何で負けたのかよくわかるよね。」と思います。「上」には絶対服従、結果嘘と改竄で万能と勘違いした「上」と共に万能感に浸り、嘘と改竄が効かない無謀な相手に戦いを挑み、大敗する。』
 武漢で新型コロナに警鐘を鳴らした医師が罹患し亡くなりました。
その故・李文亮医師の遺書「私は去る」を引用します。

私は砂粒となる前に、故郷の黒土白雲のことが、また想い浮かんだ。子供の頃を何度想い返したことか。風は舞い降り、雪は真白だ。

生きられたら本当にいいのに。でも死ななければならない。もう二度と妻の瞼に触れることもできない。子供を連れて東湖の春の日の出を見ることもできない。両親を連れて武漢大学の桜を見ることもできない。白雲の深いところまで凧を揚げることもできない。

たまには、まだ生まれぬ子供の夢を見ることもある。彼もしくは彼女は、生まれるやいなや、大勢の人の中から私を探す。子供よ、ごめんなさい! 私には分かっている。あなたはただ、一人の平凡な父親だけを求めているということを。それなのに私は、いつのまにか平民の英雄になってしまった。

まもなく夜が明ける。私は去らないといけない。一枚の保証書を持って(李医師の病気を公傷にするという武漢市政府の証明書が出された)。これは、私のこの世で唯一の携帯品だ。
私を理解し、愛してくれた世間のあらゆる人々に感謝する。黎明の頃、私が山の丘を乗り越えるのを皆が待っていることを、私は知っている! だが、私はもう疲れ切ってしまった。

この世で、私は泰山より重くありたくない。また鴻毛より軽いことを恐れてもいない。私の唯一の望みは、氷雪が溶けた後に、皆々が変わらず大地を熱愛し、祖国を信じることだ。

春の雷鳴が鳴り響く頃、もしも誰かが私を祈念したいというなら、ごく小さな墓碑を立ててほしい! 別に偉大だとか書くことはない。ただ私という人間がこの世に存在していて、姓と名があって、畏れを知らなかったと証明してくれればいい。
墓碑銘に添えてほしいのは、この一句だ。

彼は生きとし生ける者(蒼生)のために話をした 〉

**********
隠ぺいと闘った医師は戦争に反対した作家と重なります。
by 小林英子 (2020-02-15 13:56) 

K.K

知性の集大成です。
by K.K (2020-02-17 14:21) 

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