太宰治『斜陽』の題字について [ドナルド・キーン]
太宰治『斜陽』の題字について
先日、駒場の日本文学館に行ってまいりました。
父となにかとご縁のある文学館です。
ここには、太宰治の『斜陽』の生原稿が存在しています。
その表紙は、津島美知子夫人によって太宰治の着物地でできています。
そして題字はドナルド・キーンによって書かれています。
夫人の希望であったと想像しています。
それが日本近代文学館の絵葉書になっています。
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中里介山展やっていると以前知り合いが教えてくれました。『大菩薩峠』で有名ですが,地元に学校作ったり社会活動もされてきた作家です。ブックカフェ「BUNDAN]には,谷崎潤一郎の『蓼食う虫』のストーリーのあるメニューがあったり特徴的ですよね。
表紙を着物地で作った原稿なのですね。和綴じは友人がいつも冊子を作っていましたので知っていますが,着ていた着物で表紙を作るのは初めて知りました。ご朱印帳を何冊も作ったので布を表紙にするのは何回も作りましたが,思い出の布も表紙になるのですね。実物を見てみたいものです。
by 小林英子 (2021-06-02 00:31)
またひとつ、キーン先生の宝物を見つけられたのですね。
日本近代文学館の絵葉書になっている太宰治の原稿の表紙のキーン先生の題字を見てみたいですね。
by 和田純子 (2021-06-02 08:42)
本当に宝物ですね!
by 越後 角太夫 (2021-06-02 10:15)
映画「HOKUSAI」を観ましたが,キーン先生が生きておられたら,キーン先生も楽しめる映画だと思いました。蔦屋重三郎のお店で番頭していた人物が後の曲亭馬琴で,北斎が自分の本の挿絵を指示通りに描かないと口論になるシーンもありました。柳亭種彦も登場し『にせ紫田舎源氏』が大当たりするシーンもあり,江戸の戯作文学の一端も描かれていました。ベロ藍を喜ぶ北斎を演じる田中泯さんは,舞踏家でもあり演技力抜群で画狂老人にぴったりでした。寛政の改革後,出版が厳しくなり,何とも言えない閉塞感が,昨今の状況とダブって見えたりもしました。「絵は言葉を超える」や「こんな時だからこそ描く」とか,染み渡るセリフの数々もありました。
by 小林英子 (2021-06-02 21:41)
実は、父の教え子には美術を専攻している人がかなりいてそのうちの、私の知っている範囲では4人は、インターナショナルな意味での浮世絵の専門家であり、その世界では有名なようです。特にイタリア人の教え子は、浩瀚な北斎についての本が二冊はあり、父に献辞をささげています。そんな関係でおのずと父も北斎には興味があり詳しくもあったと思います。残念ながら北斎についてはほとんど書き残していませんが。きっと教え子に任せたのでしょう。
by お名前(必須) (2021-06-05 14:11)