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旅立ちの衣類など1 [ドナルド・キーン]

旅立ちの衣類など1

少し悲しいお話で、申し訳ございません。記録として残し、公開させて頂くことも意味のあることと思いご紹介させて下さい。

父が旅立った時に着ていた衣類などです。

医師に後数日の命です、と言われたとき、周囲の方たちに言われて慌てて準備しました。どんな気持ちで準備したかも忘れてしまいましたが、意外と冷静だったかもしれません。

最初は、ジャケットです。ミラノで教え子の家に洋服屋さんに来てもらってあつらえたものだと思います。ふだんから一番よく着ていました。少し古びていましたが、色合いも、着易さも気に入っていたようです。いつ頃のものか分かりませんが、40年とか50年前かもしれません。

次はネクタイですが、これは二番目に気に入っていたものです。一番気に入っていたものは、私にとっていろいろ思い出があり過ぎるので、二番目のものにしてもらいました。

次がシャツです。これは私のものでしたが、父が気に入ってついに父ばかり着るようになってしまいました。ブランドはブルックスブラザーズのものでした。しかしもう着古していて、色も褪せているし、ちょっとかわいそうに思いました。そこで思いついたのが、2017年にロンドンでピンクというお店で自ら気に入って選んだものに代えました。今その写真が見つからないのですが、必ずありますのでその時にご紹介させて頂きます。色は水色で、ストライプでした。

ネクタイとシャツでお分かりのように、父はブルー系が好きです。次はグリーンとブラウンでしょうか。赤系統と黒は嫌いでした。

次はカーディガンです。これもブルックスブラザーズですが、私とお揃いで二着あるものの一着で、白い汚れがありますが、なんの汚れか不明です。いずれにしても父が着慣れたものです。

今回の最後は、パンツです。これも長年気に入ってはいていたものです。

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