『黄犬交遊抄』について [ドナルド・キーン]
『黄犬交遊抄』について
『黄犬交遊抄』(岩波書店)について少し。
とても素敵な装丁、製本だと思います。装丁の黄色は父のトレードマーク(と言っていいか分かりませんが)黄犬の象徴ですし、クロスの書籍は父の好みでした。
主に、編集者の岩元さんの発案でしたが、全体として父が喜びそうな感じに仕上がり、とても感謝しています。
そして本文の構成も、目次からお分かりのように、”黄犬交遊抄”にふさわしく知人友人などの交友、書籍としてこれまで未収録だった講演、そして最後の「附 西ヶ原日乗」は、父の日常の思いや考え、という内容です。
「心は、一枚の紙」や「雨」は、「附 西ヶ原日乗」にあります。父のお気に入りのエッセーは、「遠慮の名人」だったと思います。
「私とフランス語の本」も私は好きですが、91歳の父が、なにも調べずに日本語で一気に書いたのには、驚きました。
『黄犬交遊抄』は、一部試し読みが出来るのが嬉しいです。