父の親友の死 [ドナルド・キーン]
父の親友の死
父の親友だったメアリー・エヴァンス・スミスが亡くなりました。
戦後、日本映画を世界に紹介したドナルド・リッチーの夫人だった関係で父は親しくなりました。
ドナルド・リチーと別れた後も、メアリーとは親しくしていました。
ドナルド・リチーと父とは、友人程度の間柄でした。
父は、いつもメアリー・リッチー・スミスと言っていました。
私も父亡きあと、メアリーとはいつも連絡を取り合っていました。
一昨年ひとりでニューヨークに行った時も、一緒にオペラに行ったり、美術館に行ったり、セントラルパークに行ったりしました。
教養豊かで、やさしい人柄でした。
メアリーは、小津安二郎、黒澤明、三船敏郎、溝口健二など当時の映画界の大立者とも非常に親しくしていました。撮影現場にもしばしば自由に出入りしたいたときいています。
写真は、一昨年メトロポリタン美術館に一緒に行ったときメアリーと父の教え子で日本美術のキューレータ、ジョン・カーペンターと一緒に撮ったものです。
なにかひとつの時代がまた終わったようです。
手帖の話4 [ドナルド・キーン]
手帖の話4
ご参考までに、これは私が長年使ってきた二年間使える手帖(TWO YEARS DIARY)で博文館のものです。
前年同時期に何をしていたかということが並列ですぐに分かってこれはこれで大変便利でした。
しかしこの手帖は去年までで卒業ということにしました。
写真では、5冊ありますから10年分ですね。
手帖の話3 [ドナルド・キーン]
手帖の話3
この写真は、先日の北区立中央図書館に展示した手帖です。
キャプションにもあるとおりですが、1975年の手帖です。
53歳の誕生日の頃です。
基本は鉛筆ですが、万年筆の文字も二か所ほど見えます。
横に添えられたモンブランの万年筆で書いたかどうかわかりません。
愛用していたと思われる万年筆は三本遺っています。
上から、分かる範囲で私なりの説明をさせていただきます。
6月16日徳岡
とあります。
たぶん夕食時に徳岡さんが来て、父が料理をふるまい、二人でズブロッカを飲んだでしょう。ひょっとして商店街で買い物の一緒にしたかもしれません。
6月17日
6三島
とあるのは、意味不明でですが、6時に三島夫人に会ったのかもしれません。
3:30週刊朝日 Alaska
とあるのは、朝日新聞社のレストランAlaskaで週刊朝日の取材か打ち合わせでしょう。
6月18日角地
とあるのは、翻訳者の角地さん、まだこの頃は翻訳をしていなかったでしょうが、ワインと父の手料理で、父の誕生日を祝ったと思います。
これはご本人に確認してみましょう。
6月19日6ー8Shinchosha Paty 別館地下二階
とありますから、新潮社の別館の地下二階でなにかのパーティがあったようです。
その下のアルファベットは不明です。読めません。
6月20日7:30福田屋(紀尾井町)三木総理 永井文相
とあるのは、紀尾井町の福田屋で、当時の三木総理と親友の永井文部大臣と三人で会食したようです。
6月21日文部省(午後)1:30 霞が関ビル 33ビル
とありますので、文部省に行ったようです。
6月22日
嶋中
とだけありますから、中央公論社の嶋中社長に会ったと思われます。
以上、大急ぎで書きましたから間違いもあるかもしれません。
手帖の話2 [ドナルド・キーン]
手帖の話2
例えばこれは2011年の文藝手帖です。
父は、ニューヨークにいます。
6月7日を見ると、鉛筆で、
「文芸春秋 インタビュー 午後」と書いてあります。
つまり文藝春秋の記者がわざわざ日本から取材に来たようです。
確認したところ、亡くなるまで父の担当をしてくださった曽我麻美子さんという編集者が、取材に来てくださったそうです。
曽我さんにとってこの時が父との初めての出会いだったそうです。
父は基本的に手帖は鉛筆で書くことが多かったようです。
手帖はいろいろなことを語ってくれるので貴重です。
手帖の話1 [ドナルド・キーン]
手帖の話1
これから何回になるか分かりませんが手帖のお話をしましょう。
父が遺した手帖は全部で17冊です。
もっとあっていいはずなのに残念ながらこれですべてです。
すべて文藝春秋社からもらったいわゆる文藝手帖です。
2000年以前のものは、数冊しかありませんが、北区立中央図書館に展示したのは1974年のもので、一番古いものでした。
残っていないものについてはたぶん父は捨てたのでしょう。
そのほとんどが2000年以降のもので最後は2013年です。
2011年から父が書いた部分と私が書いた部分が混在しています。
2013年はかなりの部分を私が書いています。
2014年以降は完全に私が私の手帖に書くようになりました。
「サラメシ」に登場します [ドナルド・キーン]
「サラメシ」に登場します
NHK総合テレビに「サラメシ」という番組があるそうですが、父ドナルド・キーンの行きつけだったイタリア料理店オステリア・セルヴァジーナが紹介されます。ドナルド・キーンが好きだった料理が父の写真などとともに紹介されるそうです。番組中、時間にして4,5分程度とのことですが、父の在りし日の様子を思い出していただければ幸いに存じます。以下の写真は、ちょうど四年前の写真です。
このご時世ですので、臨時ニュースなどで急遽変更になる可能性もなくはないのだそうですが、現段階での予定をお知らせいたします。
テレビ放送:NHK総合?
?本放送 1月19日(火) 19:30~19:57 全国放送 ?
?再放送① 1月21日(木) 12:20?12:43 (23分版)
?再放送② 1月24日(日)8:25?8:52
ネット配信
?NHKプラス 本放送・再々放送(日曜)同時間帯に配信
?NHKオンデマンド:本放送翌日から 2 週間
国際放送
?本放送・再放送①・再放送②と同時間帯に、NHKワールドプレミアムにて放送・配信
道徳の教科書に登場しました [ドナルド・キーン]
道徳の教科書に登場しました
昨年暮れに送られてきた中学生のための道徳の教科書です。
Gakkenの「新・中学生の道徳 明日への扉1」という教科書です。
きっと今年の4月から使われるのでしょうね。
父は多くの教科書に、特に英語や国語に採用されていますが、今後はこういうこともご紹介させていただきたいと思います。道徳の教科書に採用されたのは二度目です。
謹賀新年 元旦 2021年(令和3年) [その他]
謹賀新年 元旦 2021年(令和3年)
皆様、明けましておめでとうございます。
今年はせめてコロナが少しずつでもおさまっていきますように、という思いです。
父ドナルド・キーンのいない二度目のお正月を迎えました。
今年は父も天国から新年を祝い、コロナウィルスが終息することを願っているにちがいありません。
皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様の新年が、健康でよき年となりますよう、天国の父とともにお祈り申し上げます。
今年の年賀状は、こんなものにいたしました。